3級の取得

(「アマチュア無線の免許を取ろう」では、養成課程講習会による3級免許の取得について紹介しましたが、自身の経験からは急がば回れ、1級、2級を目指すのであれば3級を講習ではなく、国家試験を受験することによる勉強のリハビリを兼ねた資格取得を推奨したいと思います。)
 
1級、2級取得の前に、今現在4級をお持ちの人、もしくはアマチュア無線従事者免許を持っていない人は、まず「勉強」そのもののリハビリを兼ねて3級アマチュア無線従事者免許の取得を推奨したいと思います。学生、20代と違い30才、40才、50才と年を重ねてくると勉強の「仕方」そのものを忘れていたりします。かくいう私も、なかなかエンジンがかからず最初は苦労しました。1級、2級の資格取得を目指す人は勉強のリハビリを兼ねて、国家試験、講習、いずれでも良いのでまずは3級アマチュア無線従事者免許の取得をお勧めします。
ここで少し3級アマチュア無線従事者免許の取得方法について改めて触れておきたいと思います。3級アマチュア無線従事者免許を取得するには主に次の2つの方法があります。
  1. アマチュア無線技士国家試験を受験して合格する。(日本無線協会が窓口)
  2. 既に4級を持っている場合は、日本アマチュア無線振興協会(JARD)が実施する養成課程講習会の短縮コースを受講する。
3級と4級とでは出来ることの範囲がかなり違います。4級で許される最大電力はHF帯で10W、VHF、UHF帯で20W。これが3級になると50Wに跳ね上がります。この5倍の違いは決して小さくありません。50Wであれば、国内だけでなく海外との通信もより容易になります。移動局に許される最大電力は50Wあることを考えると3級のアマチュア無線従事者免許を持っていれば、おおよそ初期の無線の欲望は満たせます。この他に、3級では18Hz帯を使用できますが4級ではできません。
 
私が考える国家試験を受験して3級アマチュア無線従事者免許を取得する方法はこんな感じです。
 
3級の場合は、ひたすら分からない、間違える問題がなくなるまで問題集を繰り返しこなすことでクリアすることが出来ます。というのも、3級では難しい計算を必要とする問題は出ないということです。無線工学、法規ともにひたすら覚えることに尽きます。なぜか?それは、国家試験問題の多くは、過去に出題された問題と同じ、もしくは似た内容だからです。だから、過去問題をまとめた問題集をマスターすることで国家試験をクリアすることが出来ます。
ただ、年齢を重ねてくると、この覚えることが結構つらい!とみなさん思っていると思いますが、記憶力は勉強を2週間も継続するとかなり戻ります。そう、50歳でも60歳でも年齢に関係になくかなり戻るのです。日をあけずに、毎日2週間1時間で良いので机に向かってみてください。2週間で大きな変化を実感できるはずです。ただし、何かを他のことをしながら勉強するのではなく、集中して勉強することが重要です。
「で結局どうするの?」
 
国家試験の合格を目指す方は、まず以下の問題集を入手します。この問題集は定期的に内容が更新され今時点では2016年/2017年受験用が出版されています。
 
3級ハム解説つき問題集 2018/2019年受験用: アマチュア無線技士国家試験 野口幸雄 著
 
 
この問題集に記載されている問題には、過去に同じ、もしくは類似した問題が出題された時期が記載されているので出題頻度などの参考になりますが、これに頼ってはいけません。
理系卒であっても長く数学から離れていた人は最初は多くの問題が意味不明、理解できず正解できないでしょう。そのような問題で止まらず、まずは読み物的に最後まで終えてください。ボリューム的にもそれほど時間がかからないと思います。1パス完了したら、次は論理的に理解できない箇所が無いように最初から改めて解いていきます。ここで重要なのは、必ず論理的に理解できる、納得できるようにすることです。3級で必要とされる工学のレベルはさほど高くありません。3級の場合は、憶える、暗記することで確実に合格に必要なレベルに達することができます。個人差はあると思いますが、ゼロの状態から毎日1時間2~3週間の勉強で合格レベルに達することができると思います。
既に4級を持っている人は、JARDの短縮コース1日で3級を取得することが出来ます。この養成講座の短縮コースも最後の試験があるのですが、心配はいりません。講習後の試験前に一通りの練習問題行い、講師の人が覚えやすく説明してくれ、それらが記憶に残り、直後の試験はまず問題なくパスすることが出来ます。
3級を持っていない人は、1級、2級取得の前にまず3級にチャレンジしてみてください。