Windows XPとマルウェア

Windows XPのサポートが終了して様々な報道がなされていますが、私はサポート終了して良かったと思っています。それには、技術的な理由と安全性の問題が幾つかあります。

まず、振り返ってWindows XPが発売された頃にはマルウェア、ウィルスの類は非常に限られていて、それらはそれほど脅威だと認識されていなかったと思います。そもそも、パソコンを持っている人が少なかったので当然です。ビジネスと同じで、ユーザーが少ないマーケットを狙っても得られる利益は限られています。(今日では、投資、コストをかけ、組織的に開発されたマルウェア、攻撃がほとんどです。)

私は、友人にWindows XPのことを聞かれた時など空気清浄機に例えて説明しています。Windows XPという空気清浄機が出荷された頃には存在しなかった様々な大気汚染物質が出現し、当時設計されたフィルター、物理構造だけでは取り除けないにも関わらず、プラズマ処理が可能な空気清浄機と同じことを求められている状態、だと。人によっては、脆弱性をバグだとか、品質の問題だとか言う人がいますが、実際はこれでは片づけられないのです。

例えば、Windows XPが出荷された頃には、データに実行可能コードを紛れ込ませて実行させ、乗っ取るようなマルウェアは存在しませんでした。このようなマルウェアが出現した後に、CPUメーカーは、これに対抗するための機能を追加しました(AMDは、NXビット、IntelはXDビットと呼んでいます。)。これ以降に出荷されたWindowsは、このCPUに追加された機能に対応することで、データに紛れ込ませたコードの不正実行が行われないようにしています。(絶対にバッファーオバーフローが無いコードが書ければ良いですが、大規模なソフトウェアでそれは不可能です。)

この他にも、Windowsはバージョンを重ねるごとに、ウィルス、マルウェアに対抗するための機能追加、アーキテクチャの更新を重ねてきています。 かなり以前から、私は家族には常に最新のOSを使用させています。理由は明確で、サポートの有無ではなく、新しいOSの方が堅牢であるからです。 オンライン取引だけでなく、パスワード入力、個人情報をWindows XP上ではセキュリティソフトをインストールしていても怖くて扱えません。

Windows XPのサポートが仮に継続していたとしても、これを使い続けられる人は、かなり勇気があるな・・・と。

銀行のURLなんかも、ギリシャ文字などを使うことで見た目は同じでも違う文字コードで、違うサイトに誘導できてしまいます。だから、決して受け取ったメールにあるURLクリックで大事なサイトにアクセスしてはいけません。必ず、自分で入力しましょう。

残念ながら、悪意を持った攻撃は日々高度化しています。自分の身を守るためには、やはり最新のOSを使用するところから・・・が簡単なのかな。

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