このWebページは、ちょいテクおやじの備忘録を兼ねたサイトです。これからアマチュア無線を始める、もしくは現在アマチュア無線を楽しんでいる方々にとってちょっとした参考資料として使えるサイトになればと思っていますが、あくまで私の個人的な備忘録です。

あまり更新していませんがブログはこちらでやってましたが、このサイトに引っ越しました。

リターンロスブリッジ その3

みなさん今晩は。本当に寒くなりました。
ここのところ毎日のように飲み会があり疲れが溜まってきています。誘われた飲み会はなるべく断らないようにしているのですが、12月は毎年週5日、日によっては前半戦、後半戦のように異なる忘年会を梯子することも。お誘いいただけるのは嬉しいのですが、お酒が好きなのでついつい飲んでしまいます。

さて前回の続き、リターンロスブリッジの制作です。前回はケースを作成したので今回は中身を入れて、計測してみます。回路は「リターンロスブリッジ その1」で紹介したものと基本同じです。違いは、フェライトビーズも使用しているところです。
使用した部品は下記の通りです。

抵抗 100Ω
秋月電子通商で以前購入した抵抗アッテネータの100Ω抵抗を並列にして50Ωにしています。チップ抵抗も高周波用のnon-inductive抵抗もあるのですが、今回は試作ということでこれを使用しました。
「チップ抵抗アッテネータ 10dB 0.1W」
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-01813/

フェライトコア  FT37-43 (Amidon)
フェライトビーズ FB43-101 (Amidon)
同軸ケーブル
   50Ω AWG34 (RF-MF509) 

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一部配線に1mm径の銅パイプを使用しています。その上で、配線に銅箔をまくことで高周波対策を施しています。銅箔の巻き方でかなり特性が変わります。下記は調整中のものなのですが、1.4GHzあたりで共振点が出てしまいなかなかフラットになりません。
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下記が最終的な特性です。この構成ではこれが限界でしょう。1.5GHz SPANで見ています。(緑のライン。他のラインは自作終端抵抗を使用したもの)
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ちなみに薄い青のラインは自作50Ω終端で測定した結果です。50Ω終端は、BNCプラグに下記ようなピンに100Ω抵抗を並列で2つ半田付けしたものを嵌め込んで作成してみました。結果はDC~900MHzくらいまでは使用できそうな感じです。やはり、non-inductiveの0603サイズ位で誤差0.5%程度のチップ抵抗100Ω並列で使用するのが良いのかもしれません。チップ抵抗は小さければ小さいほど高周波特性が良いそうです。DCから900MHzあたりまでは-40dB。趣味で作成する機器には十分です。1.2GHzのアンテナ調整にも使用できるものが欲しいですが、それはまたこんど調整したいと思います。
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私が使用している終端抵抗はスタック電子のT1301です。Keysightの終端抵抗が欲しいのですが、仕事ではないので、数千円のもので我慢します。そもそも趣味でスペクトラムアナライザを購入するのもどうかと思いますが、これはあるのと無いのとでは出来ることが全然違います。最近はデジシロ、スペアナ共に必須計測器であることを実感しています。みなさんも、冬のボーナス如何でしょうか。

ついでに、在庫えいたRF microwaveが販売しているアルミ削り出しの箱(SP-98)に同様回路を詰め込んみました。この箱は最初からSMAコネクタ用の穴が開いていおり、様々な用途につかえます。

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同様に詰め込んでみたところです。
銅箔テープを下に貼っています。

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良い特性を得るポイントは、DUTコネクタ付近に銅箔テープを張り、可能な限り他の部分から分離することです。この銅箔の微妙な位置、貼り方で共振点が出たり、フラットにできたりと調整のポイントになります。
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概ね40dBm以上取れているので使い物にはなりそうです。

これが今年最後の投稿ですね。みなさん、良いお年をお迎えください。

リターンロスブリッジ その2

みなさん、今晩は。かなり寒くなってきましたね。
非常に久しぶりに毎週ブログを書いている気がする。どうしたんだろうと冷静に考えてみると、週末も仕事の積み残しを減らすことに費やされている時はブログを書いておらず、余裕があるときにブログを書いているのかもしれない。前々回は、仕事で文章を書くことが多いから、帰宅してからは書く気力が無いと書きましたが、訂正します。単純に時間がなく、疲れ果てているだけかもしれません。

リターンロスブリッジを作成する上で重要なのがケースのようです。特に高周波において外界ノイズが性能に大きく影響を与えるようです。色々な人のブログを見てみると、多くはキャビティ構造のケースを使用しています。今回作成するリターンロスブリッジがうまく行けば、安い簡易的なケースを試してみようと思いますが、まずは下記のようなアルミ押し出しケースを使用します。ちなみに、タカチのケースではありません。ま、似たようなケースです。秋葉原のジャンク屋で入手しました。

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中身もタカチのアルミ押し出しケースにそっくりですが、違います。タカチのケースにある刻印もありません。

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このケースは以前秋葉原で安く購入したものなのですが、表面がザラザラであまり綺麗ではありません。ということで、バフ掛けする時に使用するフェルトとアルミ磨き用のペーストで磨きました。このフェルトは電動ドリル等に取り付けて使用でき、且つ小さい(直径50mm)ので、デスクで作業ができてしまいます。

これで磨いた結果がこちらです。写真ではわかりづらいかもしれませんが、かなりピカピカになります。気を付けなければいけないのは、磨いているとアルミ表面の微細な突起が削られて黒くなったペーストです。それが手に付着するとなかなか落ちません。必ず使い捨て手袋などを使用して磨きます。

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磨きおえたケースはリーマーでプラグのメインの穴を開け、ドリルとタップでネジ穴を開けます。アルミの厚さがある程度ある場合は、開けた穴をナットで止めるのではなく、タップでケースに直接のネジ止めできるようにすると見た目も良くなります。
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ケース加工をする人はテーパーリーマ、タップは持っていると良いかと思います。


これはHOZANのテーパリーマ。各サイズを持っていると便利です。最初に5~6mmの金属用ドリルで穴をあけ、テーパリーマで穴を目的の大きさまで広げます。タップは、アルミ板等に直接ねじ止めできるように、穴にネジ山をつけるための工具です。通常は、タップとタップ用のドリルがセットになっています。例えばM3用のネジ穴はM3より細めのネジで穴を開け、タップでネジ山を切ります。薄いアルミの場合は強度の関係から、ロールタップの使用をお勧めします。ロールタップとは、通常のスパイラルタップ(削るタイプ)と異なり、塑性でねじ山を盛り上げて加工します。その為、スパイラルタップで加工したネジ穴よりも強度があります。その分、作業には対象の十分な固定と力が必要です。

こちらが穴あけ加工後のケースです。
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まあ、それなりにできている感じでしょうか。
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そして、こちらが開けた穴にパネル用のBNCプラグを取付後です。
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左側のコネクタが曲がってついているように見えますが、これは安物カメラのレンズの歪みで実際はまっすぐに付いてます!この後はいよいよ中身の取り付けと測定です。

リターンロスブリッジ その1

みんさん今晩は。ようやく冬らしい天気になってきましたね。

私は夏が嫌いで冬が好き。特に12月をこよなく愛する人間なので今が1年の中で今が一番幸せです。COP24など温暖化対策に関係するニュースが増えてきていますが、本当に危機的な状況なのだと思います。物理・化学現象の多くは、反応が一度本格化すると一気に加速します。地球環境がそうでない保証はどこにもありません。子、孫の世代に今何ができるのかを真剣に考えるべきなのでしょう。

などと真面目な話はさておき。スペクトラムアナライザを購入したので、さっそくリターンロスブリッジ(RLB)の作成をしてみました。リターンロスブリッジはCQ出版社の『改訂新版 定本 トロイダル・コア活用百科 —トロイダル・コイルの理論・製作と応用回路 』 第10章に書かれている内容を参考に作成しました。

この書籍に記載されている回路図にはアッテネーターが含まれていますが、アッテネーターは信号源によって変わりますので、ここでは省きます。(恐らく市販のリターンロスブリッジにもアッテネーターは内臓されていないのではないでしょうか。)私が作成したRLBの回路図は下記になります。自作されている方々の多くがこれと同様と思います。
回路図

今日はここまで準備をしたので、次回はケースを作成したいと思います。

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